第33回山口県人権・同和教育研究集会の報告
「差別の現実から深く学び、生活を高め、未来を保障する教育を確立しよう」をテーマに、第33回山口県人権・同和教育研究集会が2018年8月10日、山口市小郡地域交流センターで開催され、県内の教職員など130人が参加しました。午前中は全体会、午後からは学校教育と社会教育の分科会に分かれて報告がおこなれました。
◆記念講演
全体会では(公財)全国人権同和教育研究協議会代表理事の桒原成壽さんより、「部落差別解消推進法」を活かすための学校教育の課題について記念講演がおこなわれました。講演では校区に部落のない学校を意識して、同和教育、人権教育の課題と具体的実践例が紹介されました。
講演で桒原代表理事は下記の点などについて強調されました。
「推進法」第5条には、「部落差別を解消するめ、必要な教育及び啓発うを行うものとする」 とされ、国・地方自治体の同和教育の取り組みが法律となりました。しかし、学校現場では、団塊世代が退職し、若手の先生たちが増え世代交代が起きています。
2002年の特措法失効後の15年、全国的に同和教育が後退してました。そのため、部落問題を教える若い教員自身が、部落問題について基礎的な知識すらない現実があります。
仲間づくりや集団づくり、学力保障や進路保障など、同和教育で積み上げてきた成果と手法をいかに継承してくかが課題となっています。
全国の大学や短大(特に教員養成課程)での人権・同和教育の必修化が重要になってきます。そのためにも、各都道府県での教員採用試験に同和教育や人権教育の項目を出題する事 も重要です。
県や市町村レベルでも、新潟県や福岡県が実施したように教職員の同和教育、人権教育の意識調査の実施に取り組むこと。特に「推進法」は、校区に部落のない学校こそ、部落問題学習に取り組む必用があると訴えました。